ご訪問ありがとうございます。
よろしければ他のページもどうぞ
 
  HOME へ



男池〜ソババッケ〜風穴〜米窪の肩〜段原〜大船山〜
              北大船山〜大戸越〜ソババッケ〜男池
 
男池から風穴を経て 大船山
 

2015年6月20日

 

ミヤマキリシマの時期も過ぎ、ちょっと静かになった九重連山。久しぶりに男池からの森を歩いてみたくなった。黒岳の森から生まれる豊富な水が湧き出る男池(おいけ)は、日本名水百選にも選ばれている。その森をゆっくり歩きたい!でも、山頂も踏みたいと言う欲張りな思いから、男池から奥ゼリの森を堪能した後、ミヤマキリシマが少しだけ残っている大船山を目指した!





男池の森にて  ケヤキの大木の根が大岩を呑み込んでいる

30分ほど散策をしながら写真撮影を楽しんだ。

<コース概要>

1、男池駐車場到着 6時05分 〜  2、男池登山口 6時25分 〜 3、男池(散策) 〜
4、かくし水 〜 5、ソババッケ 〜 6、風穴 〜 7、大船山への分岐 〜 8、米窪の肩
9、段原  10、大船山山頂 〜 11、段原 〜 12、北大船山山頂 〜 13、大戸越 〜
14、ソババッケ 〜 15、男池登山口  16時12分


               
 

1、  男池駐車場 6時05分 到着
2時過ぎに起床。3時には自宅を出て一路男池へ!
北九州から約3時間かけてようやく男池の駐車場に到着。道中、小雨が降ってどうなることかと思ったが、男池に来てみると薄っすら陽が射していい感じになってきた。平治岳も見える。
さあ行くぞ!

 

<ようこそ男池・黒岳へ>
「黒岳(くろたけ)」
黒岳は全山が落葉広葉樹の樹林におおわれた、くじゅう山群唯一の山として有名です。新緑や紅葉、冬の霧氷など、ありのままの自然が四季を通じて見ることができます。
   駐車場に設置されている説明看板より抜粋

 

駐車場前のトイレ  6時20分
立派なトイレは登山者の味方。
さっそく右に進んで登山口へ向かう。

     おいちゃん家

2、  男池登山口 6時25分
男池清掃員詰所もまだ閉まっている。美化清掃協力金(中学生以上は100円)を所定のボックスに入れてスタートとなる。

   由布市の管轄
 

黒岳原生林
人間の影響を受けない自然のままの森林を「原生林」といいます。原生林は文明の発展とともに急激に姿を消し、日本でも少なくなっています。ブナやカエデ類を中心とする原生林に被われた黒岳には、「21世紀に残したい日本の自然100選」に選ばれた貴重な自然です。             説明看板より抜粋

説明看板などを読みながらゆっくりと森の中へ

 




遊歩道を歩く  6時26分  登山口から森に入ると空気が一変する

優しい朝の光を浴びて森が少しずつ目覚めているようだ。 清々しい朝とはこのことか


 

分岐 6時27分 左へ
遊歩道をまっすぐ行くと川へ降りるが、標識通りに左へと進む。

    男池方面へ

男池橋を渡る  6時28分
静かな川の流れを眺めつつ男池橋を渡る。ひんやりとした空気に包まれてとても心地よい。

   橋から下流方向

 

散策コースの分岐  6時29分  左へ
橋を渡るとすぐに分岐に出会う。登山だけが目的ならここから右へ行くと少しだけ近道となるが、左に進んでも同じ場所に合流することが出来る。
男池の湧水を見たいので、左の遊歩道を歩くことにした。






3、男池の湧水  6時30分  透明度抜群!少し青みを帯びた神秘的な湧水に感動する

 

 

バリアフリー整備
男池湧水への遊歩道はバリアフリー化されていて、車椅子でも湧水を楽しむことが出来る。観光客の為、整備が行き届いている。
年中12.6℃の水温を保ち、毎日2万トンの豊富な湧出量を誇っている。大切にしたいくじゅうの自然である。

 

分岐  6時32分  右へ
男池を堪能した後、先へ進むとすぐにまた分岐となる。ここから左へ進むと遊歩道で「名水の滝」へと続いている。(まだ行ったことがないので、一度は行きたいと思っている)
この分岐から遊歩道には進まず、右の「上の台散策コース」へと向かった。

 

上の台散策コースへ  6時32分
登山口からのんびりと歩き、まだ7分しか経っていないのだが、既に神秘的な森の中に身を置いている。実はこの先に男池を代表すると言ってもいい不思議な2本の木がある。その2本の木に「朝の挨拶」をして登山を開始することにした。






根っこが岩を包み込んでいる  6時35分  今にも動き出しそうな感じだ

 




大岩を喰らうケヤキの大木  6時37分  凄まじい生命力を感じる

この先の登山道でもこのような不思議な木が随所に見受けられる。

 



    大岩を喰らうケヤキの大木  6時41分  トップの写真と同じ木なので、スケールの確認を!


結局、先程の2本の木に魅せられ写真撮影などしていると、あっという間に30分程経過していた。 
「これはヤバイ、悠長に写真を撮っている場合ではない!」 焦って先へと進んだ!



ケヤキの大木を通過して5分程上ると、登山道はフラットになる。すぐにT字路分岐に突き当たる。
ここは男池橋を渡って直ぐの分岐から右に進んだ道と合流する地点である。
 





 

分岐に合流  左へ  7時06分
標識を見ると、「かくし水・登山道」との表記がある。この先暫く楽チンな登山道を楽しむ。

    かくし水方面へ

 

焦って先を急いでいるはずなのに、どうしても立ち止まってシャッターを切らずにいられない。いくら時間があっても足りない。
本日の主目的の大船山周回は果たして達成出来るのか?このままでは危ういぞ! 

森に魅せられて  7時21分
登山道を歩いていると、素晴らしい自然美が次々と目に入ってくる。観賞せずに通過するにはもったいなくて、ついつい足が止まる。
鳥たちの囀りも次第に増えてきた。木漏れ日もあり、お天気も良さそうだ!
雰囲気抜群の原生林歩きは満足度120%。

  

  
    苔むした倒木に生き生きとしたグリーン





倒木には分厚い苔がビッシリ!  7時27分  苔の上に新しい息吹が芽生えている。

 


 

有刺鉄線の柵を越えて  7時28分
「これより先は牛の放牧中」と書いてあるが、未だかつて牛を見たことがない()

    有刺鉄線注意  



               4、かくし水  7時29分  倒木の横が水場になっている
何故?かくし水と言うのか? それは、黒岳周辺の高地の湧水はここだけで、流水はやがて地下に滲みこんでしまうので、「かくし水」と呼ばれているそうだ。(パンフレットより)



 

登山道沿いにある不思議な木 7時34分
かくし水で喉を潤し上って行くと、またまた奇妙な木が現れた。登山道には白い花。

   ガクウツギ


かくし水から緩やかな上りの登山道を30分程進むと、今度は少し広い窪地へと下って行くことになる。
その場所か「ソババッケ」である。このコースの休憩ポイントだ。



5、ソババッケ  8時03分  右上に見えるはずの平治岳は残念ながら霧の中

登山者お二人と一匹の犬が通り過ぎて行く(後に大船山頂付近で見かけることになる)

 

 

ソババッケで小l休止
ソババッケの意味は諸説あるようだが、一つは「水はけの悪いところ」と聞いたことがある。確かに湿地帯ではあるが?
地名の由来は、そば畑(ソババタケ)→ソババッケと言う説もあるらしいが、本当だろうか?山ではいつも謎の地名に頭を悩ませられる。噴き出る汗がようやく納まり、再スタート!

 

風穴への分岐  8時11分  左へ
ソババッケからすぐに分岐に出会う。右に進めば大戸越(うとんごし)。左に進むと風穴へと続く。ここで先行者とお別れとなる。

    風穴・黒岳方面へ






雰囲気のいい森を快適に歩く  8時14分  敷き詰められたモミジガサのグリーン

誰もいない静かな森


 

奥ゼリに入って行く  8時34分
ライトグリーンの天井を見上げながら、一歩一歩。足下には可愛い花も顔を出す。

    バイケイソウ

原生林を体感しながら歩く


 

大戸越(うとんごし)への分岐を通過 8時48分
黄色の標識が現れた。ここから右に進めば大戸越へと続いている。(未踏コース)
この一帯は奥ゼリと呼ばれている。ここはソババッケと風穴の丁度中間地点になる。
ちょっと休憩して水分補給。
既にスタートして2時間半程経過している。

 




   岩ゴロゴロの登山道  9時03分  不規則な岩が続く。いったいどこを歩けばいいの?

ソババッケから風穴への道は、後半、岩との格闘となる。赤テープを頼りに岩の間をすり抜けて行く。とにかく苔むし、濡れているので神経を使う。このルートでは、一人だけすれ違った。ずっと誰にも会わずに歩いている時に、突然目の前に人が現れるとびっくりするものだ。たぶん同年代の方だろう。ほぼ同時に相手に気付いた瞬間、お互い息をのみ、「ニヤッ」と笑った。




 

黒岳への分岐  9時22分
岩ゴロも途絶えてホッとすると黒岳への分岐が現れた。ここは黒岳と大船山の鞍部になる。

    今水・岳麓寺方面へ

 





ロープが垂れているが、パスした。


6、風穴
分岐標識の右奥10メートル位の所に「風穴」があるのだが、この分岐標識には「風穴」という文字はない。なので、注意しないとわからずに通過してしまう人もいる。
「大船山風穴」
この風穴は岳麓寺の住人で、養蚕種の製造等を手掛けていた木下羊三氏が天然の氷穴を探そうと11年ものあいだ「くじゅう連山」をくまなく歩き続け、明治37年7月27日に発見したものである。
当時は人造氷のない時代のため、大量の蚕種の保存が可能であり、天然の冷蔵庫ともいえるこの風穴で蚕種を貯蔵、自然孵化を抑制しながら時期を問わず飼育する目的で利用されたものであり、大正3年に当時では珍しい「株式会社大船山風穴」として創立され日本の隆盛に貢献したものである。
全九州はもとより、四国、中国地方より貯蔵依頼があったといわれ、その数は10万枚以上であったと言われている。
大正末期、化学製氷が開発され始めると同時に衰退し現在に至っている。この中は二つの部屋からなっており、梅雨〜初秋の間を除けば氷や氷柱を見ることが出来る。  
 (説明標識より)

 

今水・岳麓寺方面へ  9時30分
風穴を見た後、先へと進む。

 

7、大船山(米窪)への分岐  9時36分
やっと大船山への分岐に辿り着いた。男池をスタートして既に3時間11分もかかっている。このルートは初挑戦だ!急登が続くと聞いているが・・・。地図を見ると等高線の間隔がかなり狭い。米窪の肩まで直登となるので覚悟して取り付いた。

  





急勾配の斜面、ペースを保って上る  9時44分  道は細いが分り易い

       

 

黒岳を眺める  10時00分
急登を黙々と上る途中で時折視界が開ける。背後には大きな黒岳の山容が迫っている。

    心癒される
  ベニバナニシキウツギ





8、米窪の肩  10時51分   鞍部の分岐から直登で1時間15分 結構堪えた(泣)

正面に見えるはずの大船山はガスって見えない




米窪全景  10時52分  初めてみる風景に感動する。

ポッカリと空いた火口跡は、直径約500m、深さ200m

ここからは米窪のカーブする右縁を歩いて段原に向かう



 

米窪の縁を歩く  11時17分
しばらく米窪の縁を歩くのだが、道は狭く藪こぎ状態でとても歩き難い。

    ミヤマキリシマ






ミヤマキリシマ(背景は北大船山)  11時21分  嬉しい、花が少し残っている




段原火口原  11時23分  時期は過ぎているが、まだまだ美しい風景




 雲が流れ、大船山が見えてきた  11時25分  大船山頂には登山者が数人いるようだ

やはりミヤマキリシマを見ると心が高揚する。 さっきまでの急登の疲れを忘れてしまう。



 

9、段原  11時28分
ミヤマキリシマを観賞しながら段原に到着。男池から5時間03分が経っていた。

    大船山へ

 

コース確認  11時45分
大船山へ上る途中で振り返る。「あ〜、やっぱりミヤマキリシマは時期が過ぎている。」
残念だが仕方ない。
ここから見ると、米窪の縁を歩いたコースがよく分る。しかし米窪の底は見えない。今日は見ることが出来て良かった。





ミヤマキリシマが一株だけ頑張っていた!  11時47分  しゃがみこんでシャッターを切った
ファインダーを覗きこんでいる最中に、今朝ソババッケで見かけたお二人の登山者と犬一匹が私の後ろを下って行った。大船山まで来ていたのか。 「ペースが速いなあ」〜と感心する。




 

10、大船山山頂  11時53分  1786m
山頂では雲が断続的に流れていて、スッキリしなかったが時折下界が一望出来て満足。

    登頂のご褒美


昼食休憩をしながら、友人知人に登頂報告のメールやラインを入れた

 

 

賑やかな山頂  12時24分
登頂した時は10人もいなかったが、昼食を終える頃には家族連れやカップルなどの登山者も上ってきて、随分と賑やかな山頂となっていた。
皆さん登頂の達成感に浸って楽しそうにしていた。私も昼食後、カメラを持って山頂をウロウロ(ヨロヨロ)して、風景撮影を楽しんだ。






御池(おいけ)  12時25分 大船山頂直下に美しい池、秋にはこのグリーンがオレンジに染まる
この御池を見た後、名残惜しいが下山にとりかかる 




 

11、段原  12時47分
山頂から調子よく下って来た。これからは真っ直ぐ北大船山の尾根を歩いて大戸越へ

   大戸越方面へ





12、北大船山山頂  12時52分  1706m  くじゅう連山を一望する





大戸越に向かう途中、大船山を振り返る    13時05分  北大船の尾根歩きは楽しい



 

北大船山を下る  13時17分
フラットな尾根歩きが終わると、大戸越までの長い下りとなる。このルートはザラザラしていてとても滑り易い。くじゅうの登山道を熟知しているH師匠が、私が滑って転倒するのを心配して「北大船の下りには注意しなさい」とメールを送ってくれた。
アドバイスに感謝!





13、大戸越(うとんごし)  13時36分  平治岳南峰斜面にはミヤマキリシマは見当たらない

大戸越には数人の登山者が休憩していた

 

新設の標識  13時37分
朽ちていた古い標識が新設されていた。これは分り易い。ここでおやつタイム。

    冷やしたゼリー




今年のミヤマキリシマは虫害に遭って壊滅状態と聞いている。そんな平治岳を見上げるとちょっと悲しくなってくる。来年は満開でピンク色に染まった斜面を見たいものだ!
15分位休憩した後、やけに重く感じるザックを背負ってソババッケへと向かった。 13時49分




 

ソババッケへ下る  14時14分
下っていると先行者の山レディー二人に追いついた。ところが、この二人はルートを外れて困っていた。声をかけて主ルートに合流するように誘導した。足下は苔むした岩が多いので、下ばかり見ていて赤テープを見逃したみたいだった。この後、同行下山することになった。

 

風穴への分岐  14時54分 左へ
今朝、ここから風穴へ向かった。やっと周回して戻ってきた。よく歩いたものだ。

    男池方面へ

 

14、ソババッケ  14時55分
広場はヌルヌルと滑り易い。大戸越から1時間ほど歩いているので小休止。

    疲労感有り

  どっぷり森に浸る  15時12分
美しい森をテンポよく歩く。足下に何かあると思ったら・・・。森の妖精?

    茸の仲間





快調に歩く  15時26分  スケールの大きさに感動しながら歩く

 




15、男池登山口   16時12分   ゴール! 9時間47分で無事に戻ってきました

 




「おいちゃん家」もお客さんで賑わっていた

今回は男池の森の散策に加えて、風穴までの原生林も大いに楽しむことが出来てとても満足だった。風穴からの急登は結構堪えたが、その先にある米窪は初めて訪れる場所でもあったのでとても興味深く楽しかった。ミヤマキリシマも少し残っていてラッキー!

想い出に残る山行となった。お疲れ様でした。



訪問ありがとうございました。
HOMEへ 


背後のカラー