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折立登山口〜太郎平小屋〜太郎山〜北ノ俣岳〜太郎山頂〜太郎平小屋(泊)〜
薬師岳〜太郎平小屋〜折立登山口
 

北アルプス 薬師岳  北ノ俣岳  太郎山

2010年7月18日〜19日

思いがけず突然決まった北アルプス登山。
梅雨明け直後の北アルプスは、まさに絶好の登山日和。二日間共に快晴で、周囲の山々が全て見渡せた。
薬師岳頂上では、360度のパノラマが広がり、剣岳、槍ヶ岳、富山湾、おまけに富士山まで。
歩くのが楽しい二日間だった。

太郎平小屋と薬師岳


コース概要
1日目  
1、
折立登山口 5時26分 〜 2、三角点 〜 3、太郎平小屋 〜 
4、太郎山経由 〜 
5、
北ノ俣岳 〜 6、太郎山山頂 〜 
7、太郎平小屋(泊) 15時02分

2日目 
8、太郎平小屋 5時35分 〜 9、薬師峠 〜 
10薬師平 〜11薬師岳山荘 〜 
12薬師岳山頂 〜 13薬師岳山荘 〜 14薬師平 〜 15薬師峠 〜 16太郎平小屋 〜
17、折立登山口 13時57分





登山前日の夕方に水須ゲートを通過。1800円の通行料を支払う。

このゲートに到着前にサルの群れが車の前を横切り、急ブレーキを踏むハプニングがあった。

本来なら、小見線(13キロ)を利用するはずだが、小見線がトンネル崩落工事の為に通行止めなので、
小口川線(25キロ)を利用して車で進む。ここから道が狭くなる。
親切な管理人さんから丁寧に道を教えてもらった。祐延(すけのべ)湖経由で有峰湖へ向かう。


 
 折立登山口に到着。駐車場はほぼ満車。
 
 
 綺麗に整備されたキャンプ場にはテントが5張り程度だった。





日が暮れる前に夕食タイム。

テント広場奥のベンチを使って夕食をとる。

実は駐車場に到着時、先着の登山者が、「ここに到着する少し前に熊を見た」と教えてくれた。驚いて、私たちの次に駐車場に着いた登山者にこのことを伝えると・・・「私もこの前、子熊を見ました。」 ・・・。  そんなに頻繁に熊を見るということは・・・ちょっと ヤバイかも?

夕食後早々車中に退避した。(笑)



早朝4時に起床。登山準備に取り掛かる。

夜中の2時頃、トイレに行きたくなったが、ひょっとしたら熊が出るのではと思って我慢した。

有峰の森はどんぐりの実が多く、ツキノワグマの生息地とのこと。

夜は少々寒かったので、朝は暖かい味噌汁を作って身体を温めた。忘れ物がないように入念にザックを点検して登山口へ。




折立登山口。休憩所には登山届けポストが設置されていた。





1、折立登山口  5時26分

休憩所に登山届けを提出。早く出発したいという気持ちを抑え、軽いストレッチを行う。

これから太郎平まで8キロの行程。

太郎坂の標識がなんとなく急坂を予想させる。

ここは標高1367m地点である。

薬師岳の頂上は2926mだから、登頂するには1559m標高を上げなければならない。



愛知大学生の慰霊碑 5時26分

登山口からすぐのところに愛知大生の遭難を供養する十三重の塔があった。

この塔は、昭和38年1月に愛知大学山岳部の13人が、豪雪のため遭難した慰霊碑です。

慰霊碑に手を合わせ、気を引き締め進む。






樹林帯の中を進む 5時38分

登山口を出発して10分程度で左手遠くに、どこかで見たような山が目に飛び込んできた。あれは・・・ひょっとしてあの有名な「剣岳」?

まだ全然登っていないのに・・・。

今日はお天気が良く、空気も澄んでいる。

期待が膨らんで、足が軽くなった。




急坂の樹林帯を進む 6時06分

進むにつれ徐々に本格的な登山道となる。




加賀の白山  6時44分

木と木の間から綺麗な山が現れた。

雪がまだ残っている。

雲海と山がマッチしてとても美しい。




栂の木?  6時52分

見事な大木が出迎えてくれる。



ギンリョウソウ(銀竜草)もひっそりと・・・。

 


2、三角点 7時10分 1871m地点


樹林帯を抜け出ると、そこは三角点。日差しが強い。折立登山道から約500mの標高差である。
ここで日焼け止めクリームをたっぷり塗った。標高が高いので紫外線も強い。 




遠くの「剣岳」をバックに。 
見晴らしは最高!



太郎平まであと 4.2キロ。

 




整備された登山道  7時33分

三角点から少し歩くと、展望が開けた登山道となった。ニッコウキスゲの「黄色」が目を引く。






                      気持ちよく風にそよぐニッコウキスゲ。(バックは剣岳と立山)   7時39分





真っ青な空! 眼下に「有峰湖」を見て、爽快に歩く。  7時49分




ベンチで休憩  8時52分  2133m地点

足元にリンドウが咲いていた。






薬師岳の上空に飛行機雲  9時00分





右手を見ると、今日登る予定の北ノ俣岳、手前には池糖があった。






太郎平小屋が見えた! 9時58分

チングルマがお出迎え。




3、太郎平小屋到着  10時03分

さっそくチェックイン!
ここまで約4時間30分。



 

太郎平小屋から薬師岳を望む  すばらしい山並みに思わず見入ってしまう。

 

 

太郎平小屋

先着の登山者が、一杯1000円の生ビールを旨そうに飲んでいた。飲みたいけどガマン。

 
 


部屋に案内してもらう。 10時26分

二段になった四畳の部屋だった。天井が近い。畳一枚が自分のスペース。私達の下は、外人さんだったが、果たして寝ることができたのだろうか? 人が多い場合は畳一枚に二人で寝るそうだ。(本当だろうか?)

ここに荷物を置いて、サブザックに換えて、北ノ俣岳を目指すことにした。

 
 


 
 


太郎平小屋を出発  10時50分

太郎平小屋前で休憩した後に、予定通り小屋のすぐ左横から伸びている登山道で北ノ俣岳を目指すことにした。

まずは、太郎山を登ることになる。

 
 


薬師岳を振り返る  10時54分

太郎山を登りながら、振り返ると小屋と薬師岳の美しい風景が一望できた。

とてもいい雰囲気で、北アルプスに来てよかったと思う瞬間だった。

 
 


4、太郎山山頂への分岐 11時01分

右に行けば山頂だが、帰りに寄ることにして、まずは左の北ノ俣岳方面に進む。

 
 


 
 

 なだらかな木道が続く  11時07分

コバイケイソウがあちこちに咲いている。

北ノ俣方面に向かう登山者はあまりいない。

登山道付近の花の撮影をしながらのんびり歩いた。

歩き易い木道が整備され、苦もなくずっと歩く。

徐々に雪渓が近づいてくる。北ノ俣岳の山頂はまだ見えない。





 
 
 


 2576mピーク 12時11分

太郎平小屋から約1時間10分で、ケルンのある名前の付いてない2576mピークに到着。

ここまで来ると北ノ俣岳もすぐそこに見える。

時折吹く気持ちいい風にあたり、雄大な眺めを堪能しながら歩を進める。

足元には綺麗な花があちこちに咲いている。

とにかく雪渓が美しい。

 


雪渓が残る北ノ俣岳の斜面 12時31分

 
 


 5、北ノ俣岳山頂  12時49分  2661m

薬師岳をバックに記念撮影。太郎平小屋から2時間だった。ここで簡単な昼食をとる。



北ノ俣岳山頂からは有峰湖が見える。






北ノ俣岳を下山開始  13時15分

少し下ると木道で景色を楽しみながら休憩している登山者を見かけた。




雪渓の氷で涼をとる。 13時30分

足元の雪渓から雪(ザラザラとした氷)を手にとり、首筋にあてる。なんと気持ちいいことか。




2576mピーク付近  13時43分

ハイマツの間を縫って歩く。




木道を下る  13時59分

花を見ながらゆっくりと下る。






太郎山への分岐  14時38分

先ほど通り過ぎた分岐に到着。ここから太郎山の山頂を目指す。


 
イワカガミ




6、太郎山山頂  14時40分  2372m






太郎平小屋へ向かう  14時55分

もったいない眺めを楽しみながら歩く。






太郎平小屋近く  15時03分

小屋の近くにもいろんな花が咲いている。





顔洗い、喉を潤す。冷たくて美味しい。

太郎平小屋横の湧き水 15時03分



ヨツバシオガマ




7、太郎平小屋に到着  15時03分

太郎平小屋前の広場は登山客が増えていた。






部屋(畳一枚)に戻って休憩  15時36分

お風呂がないので、水で頭を洗い、ボディーペーパーで汗を拭いて着替えた。

5時から夕食なのでそれまで小屋前の広場でゆっくりと過ごした。売店で缶ビール(500円)、缶チューハイ(400円)を買って飲んだ。

広場では今日一日の登山客の満足そうな話し声が聞こえてくる。




夕食風景  17時02分

宿泊客が一斉に食堂に入ってくる。

 

夕食





夕暮れの薬師岳(夕陽に照らされ少し赤くなっている) 19時06分




太郎平小屋の上空には月が出ていた。 19時31分

21時消灯。明日本番の薬師岳登頂を期待して眠りにつく。

二日目(7月19日) 4時10分 起床 


前夜から登山の支度を整えていたので、あまり焦ることはない。
5時の朝食まで小屋前の広場で写真を撮りながらボーっと待つ。





少しひんやりする清清しい朝だった。 4時50分






太郎平小屋の朝食  5時03分

5時からの朝食に、ほとんどの登山客が起きてきていたようだった。皆さん食欲旺盛。

やはり薬師岳に登る人が多いみたいだった。

 

今日も小屋から薬師岳の往復はサブザックで歩くことにした。ザックは小屋に置かせてもらえるのでありがたい。





登山準備(本日の登山に備え、登山靴をしっかりと履き、ストレッチをする)





8、太郎平小屋を出発  5時35分

今回の主目標の薬師岳に向かっていざ出発。

まずは木道を進む。






テント場が見えてくる。 5時48分

木道を進んでいくと一旦下りになる。



 




9、薬師峠  5時53分

色とりどりのテントが10張り程あった。このテント場は太郎小屋の管轄で、予約しておくと、小屋のスタッフが冷えたビールをここまで運んでくれるそうだ。

ここでテント泊をする人は私たちみたいな小屋宿泊者と違って本格的登山者。テントや食糧を担いで登ってくるので尊敬に値します。




岩がゴロゴロした涸れ沢の急坂 5時59分

薬師峠を過ぎるとここから本格的な上りとなる。たぶんここは雨が降ると川のようになるのだろうと・・・。ところどころで水が流れている。





雪渓の上を歩く  6時18分

しばらく歩くと雪渓が現れた。軽アイゼンを装着せずに歩くことが出来た。






10、薬師平  6時22分

雪渓を抜け少し歩くと展望が開けた。





素晴しい眺望 (太郎平小屋の背景には雲海に浮かぶ加賀の白山が見える) 6時23分




ケルン前のベンチで5分休憩  6時24分

薬師平からの眺めは最高だった。






薬師岳山荘まで15分の標識 6時56分






左奥に槍ヶ岳が見える 7時00分

眼下には富山市内と富山湾




11、薬師岳山荘 7時06分

山荘は建設工事中だった。 2701m地点






眺望を振り返りながら歩く  7時23分

左端が槍ヶ岳

上を見上げると歩きづらそうな斜面 7時26分


避難小屋跡とケルンが見えてきた。
7時40分







避難小屋跡と愛知大生慰霊ケルン 
7時42分








雪渓の残る東南稜カール





頂上が見えた  7時45分

避難小屋の左を通る本来のコースに戻る。





有峰湖を見下ろし斜面を登る 7時46分





頂上には登山者がたくさんいた。 
7時56分




12、薬師岳山頂  8時00分  2926m

太郎平小屋から頂上まで2時間25分だった。



♪♪♪ アルプス一万尺 小槍の上でアルペン踊りを さあ 踊りましょ ♪♪♪





山頂より 北薬師岳を望む 痩せた尾根が危険 (右奥に剣岳と立山)




360度のパノラマを楽しむ登山客。





山頂からの雄大な眺め (この方向に富士山もうっすらと見えた)





昨日登った北ノ俣岳(左の雪渓のある山)と宿泊した太郎平小屋が小さく見える





山頂真下の雪渓に降りて、山頂を見上げる。なんともいえない風景だった。





下山開始 8時40分

頂上付近で眺望を約40分楽しんだ後に、後ろ髪を引かれる思いで下山した。今日はこれから一気に折立登山口まで下る。

 雪渓に雪ダルマ。






薬師岳山荘と太郎平小屋  8時53分






黙々と下る  8時58分







突然かん高い鳥の鳴き声がした。 岩ヒバリだろうか?






13、建設中の薬師岳山荘を通過  
9時15分

薬師岳の圏谷群の碑を見て下る。

9時21分




14、薬師平 9時43分

薬師平で暫し休憩。雄大な景色はここで見納めとなる。




雪渓を注意して下る 9時55分

ここにも雪ダルマが・・・。




涸れ沢を下る 10時11分

かわいい花をみてホッとする。
シナノキンバイ




15、薬師峠を通過  10時19分

ここから最後の登り返し。




太郎平小屋が見えた  10時29分

到着10時35分 
薬師岳往復で5時間ジャスト



16、太郎平小屋前の広場で昼食 
10時50分

フリーズドライの味噌汁、ソーセージ、挟間師匠が差し入れしてくれた山菜おこわ。そして登頂を祝してブランデーで乾杯。






太郎平小屋の看板に別れを告げる
11時25分

この看板は山岳文学「山と渓谷」の著者でも知られる登山家・田部重治の直筆である。






整備された登山道を下る 12時04分

ベンチで休憩。ニッコウキスゲが美しい。






三角点を過ぎ、樹林帯を下る 13時42分

なかなか登山口に到達しない。足先が痛い。









17、登山口へ到着  13時57分

愛知大生の慰霊碑に頭を下げ登山口へ。

やっと折立登山口に下りて来た。少々お疲れモード。日差しは強いし気温も高く、汗びっしょり。

 ゴール!







折立登山口には無事に下山した登山客が休憩していた。
自動販売機でコーラを買って一気に飲み干す。
これで二日間の薬師岳登山が無事に完了。山に感謝!

この後、亀谷温泉で汗を流して帰路に就く。
お疲れ様でした。

背後のカラー

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