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豊前坊駐車場〜裏英彦山道登山口〜ケルンの谷〜
                       南岳〜中岳〜北岳〜豊前坊駐車場

 

裏英彦山道からの 英彦山三座

 

2014年5月3日

 

いよいよゴールデンウィークに突入。「お天気はどうだろう?」「どこに登ろうか?」などと、つらつら考えていたところに、H師匠から「裏英彦山にヤマシャクヤクを見に行きませんか?」と連絡が入った。私はヤマシャクヤクを未だかつて拝んだことがない。すぐに同行をお願いすることにした。




清々しい新緑が溢れる裏英彦山道を歩く

<コース概要>

1、豊前坊駐車場  7時39分 〜 2、薬師峠 〜 3、裏英彦山道登山口 〜 
<裏英彦山道> 〜 4、ケルンの谷 〜 <裏英彦山道>  5、中岳・南岳間のやせ尾根 〜
6、南岳(昼食) 〜 7、中岳 〜  8、北岳  9、高住神社境内登山口 〜 
10、英彦山豊前坊 高住神社 〜 11、豊前坊駐車場  13時41分



               
 

1、豊前坊駐車場スタート  7時39分
今日は豊前坊の駐車場を8時スタートのお達しが出ていた。早朝、北九州から1時間20分。車を飛ばして「今日は一番乗りだ!」と豊前坊の駐車場に到着したが、既に同行のH師匠とヤジさんは登山靴を履いて準備万端整っていた。外気は少し肌寒いがとても気持ちがいい朝だ。と言うことで、遅ればせながらザックを背負ってレッツゴー!

 

豊前坊駐車場  7時40分
今回我々が車を停めた場所は豊前坊駐車場のすぐ真裏下の駐車場である。そこから上の道路まで上がって行く。(もちろん上の駐車場に停めてもよい。)
一般の登山者は道路を渡ると高住神社があり、その境内奥の登山口から北岳へと向かうのだが、今回は裏英彦山道を歩くので登山口が違う。 駐車場は上下共まだ閑散としていた。

 

トイレから左へ  7時40分
上の道路(国道500号線)に出ると左角にトイレがある。そこを左に進んで道路を歩くことになる。
登山口はどこなのだろう?


   通行車両に注意!

 

道路が分かれる  7時46分
トイレから6分程歩くと舗装道路が分かれるが、我々の進む道は右の国道500号線である。左前方に鷹巣山一ノ岳が見える。

   看板を横目に

 

小さな駐車スペース  7時48分
こんなところに駐車スペースがある。4〜5台は停められるだろうか?このすぐ先から舗装道路に別れを告げて右の林道に入る。

   右へ 7時49分

  薬師林道  7時49分
ここから薬師林道に入る。林道入り口で裏英彦山道への小さな表示を見つけた。バイクの轍の跡がある。通行禁止のはずだが・・・。

   古びた表示
 

鷹巣山登山口を通過  7時55分
鷹巣山は一ノ岳、二ノ岳、三ノ岳と三つの峰がある。望雲台からその全貌を見たのを思い出し登山口を通過。いつかは挑戦したい。

   割れた登山口表示

 

2、薬師峠を越える  7時56分
「ここが薬師峠ですよ」と、H師匠から説明を受ける。なだらかな坂道のピークが薬師峠だった。どうやらこの辺りから大分県。

   山間の県境 

 

3、裏英彦山道登山口  7時59分
いよいよここから裏英彦山ルートだ!逸る気持ちを抑えながらH師匠の後について行く。ヤマシャクヤクは咲いているだろうか?

   登山口表示






登山口から少々荒れた植林帯を歩く  8時02分



 

赤テープに沿って  8時09分
確かに道はあるのだが、裏英彦山道は登山者が少ないので踏み跡が薄い。赤テープを見逃さないように注意して進む。

   足下にスミレの花

 

ミツバツツジを潜り抜け  8時16分
植林帯を抜けると新緑が目に飛び込んでくる。ミツバツツジもお出迎え!木々の間から遠くの望雲台も確認できた。

   心地良い風が吹く






尾根に向かって黙々と斜面を上る  8時19分



 

見晴らしのよい尾根に到着  8時22分
斜面を上りきって尾根に到着。「休憩」の声がかかり、お茶で喉を潤し一息入れた。
本来ここから奥耶馬溪方面を見下ろすことが出来るそうだが、あいにく霞んで遠くを望むことは出来なかった。
この先、進行方向は右だが尾根の左側にシャクナゲの花を見つけた。「うぁ〜、ピンク色がとても綺麗だ!」(崖に注意!)

 

ツクシシャクナゲ  8時27分
崖の縁に咲くシャクナゲにレンズを向ける。足下を注意してピントを合わせる。蕾は色が濃いが花開くと薄いピンクになる。

   シャクナゲの蕾

 

尾根を辿って進む  8時30分
左が切れ落ちる際どい場所をクリアすると荒れた上りの尾根が続くことになる。次第に枯れたスズタケが目立つようになる。

   スズタケの中を






尾根を左に下りトラバース     赤テープに注意しながら進む





新緑のシャワーを浴びながら・・・





快適な裏英彦山道を歩く



ヤジさんが日当たりの良いところで小さくて可愛い花を見つけた 

 
キケマン



ヤマルリソウ

花の名前がわからないので、H師匠に尋ねるとすぐに教えてくれた。さすが師匠!




さすが裏英彦山道だ! 9時47分  
新緑のグリーンと落ち葉のブラウンがとてもマッチしている。
木漏れ日を浴びて歩くこの登山道は何とも言えない心地良さだ!





そして・・・
ついにお目当てのヤマシャクヤクにご対面!






とっておきの場所  ヤマシャクヤクの群生地






「立てばシャクヤク(芍薬)、座ればボタン(牡丹)、歩く姿はユリ(百合)の花」

 この言葉は、誰もが耳にしたことがあるだろう。芍薬も牡丹も共に美しい花、百合は清楚な花であることから、美人の姿や仕草を花に見立てて形容する言葉として知られている。ここに咲いている白い花が「立てばシャクヤク」のシャクヤクである。




 



 

ヤマシャクヤク(UHK48)と一緒に
群生地を踏み荒すことのないよう慎重にアプローチ。
白い妖精たちに囲まれながら気分を良くして「ハイチーズ」と体よく写真に納まった。ついうっとり見惚れてしまう。

ヤマシャクヤクの数を数えると48輪。
「エッ!48輪!こんな偶然もあるもんだ!」ここは裏英彦山(RAO)なので、さしずめUHK48かな?」(笑)


 

新緑が太陽の光でキラキラと光る。しばらくその素晴らしい光景に感動しながら歩いていると、突然大きな岩がゴロゴロとしたゴーロ帯に行き着いた。先行の二人を見ているとそのゴーロ帯の中を下って行くではないか!確かに赤テープが木に巻いてある。間違いなく登山道なのだが、岩が不規則でとても歩き難かった。転倒しないように足下注意だ!





裏英彦山の難所ゴーロ帯  不規則な岩を慎重に!赤テープに沿って下る 10時00分






石のケルン  10時14分   ゴーロ帯を下り終えると石でケルンが立てられていた 




 

4、ケルンの谷  10時17分
ここまでは新緑の登山道でとても快適に歩くことが出来た。しかし、ここから40分間の急登が本日のメインイベントだった。

   フデリンドウ






てっ! なんだ坂、こんな坂  10時26分  こぴっと頑張りました!



 

雰囲気のよい登山道  10時35分
新緑は綺麗だが、急登に加え足下の岩ゴロゴロに気を取られて景色を味わう余裕がない。

    性!






登山道に咲くシャクナゲ  10時44分  ご婦人の登山者から歓声が上がる


 

急登の途中で心癒され  10時45分
急登に喘ぎ、「そろそろ休憩がしたいなあ〜」と思っていたところにツクシシャクナゲが微笑んだ。撮影を兼ねて息を整えた。

   <威厳、荘厳>

 

ここからがクライマックス  10時54分
シャクナゲの撮影をしている内にH師匠が先に行ってしまった。既に最後の急登に挑んでいる。師匠の強靭な体力には頭が下がる。
私とヤジさんはマイペースでボチボチ上る。上を見上げると尾根が近づいたのか、空が広がって来た。さて我々はいったいどこに出るのだろう?そんなことも知らずに歩いていた。これじゃ登山失格!遭難するぞ!()






最後の急斜面に道筋はない 10時57分  とにかく必死に上るだけだ!


 

5、中岳・南岳間のやせ尾根  10時59分
最後の急登を上り詰めてやっとの思いで尾根に辿り着いた!H師匠は既に先を歩いている。「んっ、ここはどこかで見たことがあるぞ!」と、その時ハッと気が付いた!ここは何度も歩いたことのある、英彦山中岳と南岳の丁度中間地点にあたる「やせ尾根」だった。正直驚いた!こんなところに飛び出すなんて予想もしていなかった。目指すは南岳!

 

やせ尾根から中岳上宮を望む  11時00分
急登から飛び出した地点から中岳を見上げると英彦山神社の上宮が「よく頑張った!」と労ってくれているようだった。

   ヤジさん ガンバ!






中岳の英彦山神社上宮を背に南岳の山頂を目指す!  11時01分 



 

6、英彦山 南岳山頂  11時06分  1200m
高住神社をスタートして3時間37分。シャクナゲやヤマシャクヤクを観賞したので、ちょっと時間がかかってしまった。

   南岳 山頂碑

 

展望台で昼食  11時08分〜
先着のH師匠が展望台で待っていた。さっそくここで昼食にすることにした。もう足がパンパンに張っている。急登に完敗だ!

   マムシグサが横に

 

南岳から中岳へ   11時38分
30分の昼食休憩を終え、これから中岳〜北岳を経て高住神社に戻ることにした。

   上宮を目指す

 

やせ尾根通過  11時43分
先程急登を上って来たやせ尾根の途中で、H師匠が何やら見つけて指差している。それは白い花を付けた木だった。

   オオカメノキの花

 

上宮をバックに記念撮影  11時45分
お天気は上々。絶好の登山日和となった英彦山。多くの登山者が楽しんでいるようだ。

   中岳上宮へ

 

英彦山中岳上宮  11時49分
中岳上宮に到着すると、南岳とは違ってたくさんの登山者で賑わっていた。

   南岳を望む

 

中岳上宮参拝  11時52分
中岳英彦山神社上宮の中へ続々と参拝者が入って行く。勿論、我々も参拝。

     安全祈願参拝






上宮裏の山頂広場へ  11時54分  トイレは建設工事中



 

7、英彦山中岳山頂  11時56分 1188m
トイレ工事の資材が山頂広場を占領して登山者はその周囲で休憩をしていた。

   中岳 山頂碑

 

中岳から北岳へ  12時01分
中岳から北岳へ向かう際に100人程の高校生とすれ違った。英彦山青年の家に宿泊していたのだろうか?高校生の皆さんはとても元気で礼儀正しい。殆ど全員から大きな声で挨拶を受けるが、下りの不規則な大岩に気を取られて、なかなか気持ちの入った返事が返せない。団体さんとすれ違う際には連続する挨拶にも忍耐勝負である。

 

ブナ林跡の前で休憩  12時06分
中岳と北岳のほぼ中間地点にさしかかった。ここにはシカ避けネットがあり、ブナ林の再生を目的に植林がされている。

   しっかり育て!

 

登山道の植林にシカ避けネット  12時09分
この辺りの登山道は見晴らしもよくのんびり歩くことが出来る。暖かい春の陽射しと共に気持ちもゆったり。

    
中岳と北岳の中間

  ブナ林  12時10分  
県内におけるブナは気温の低い標高約1000m以上に生育する大変貴重な樹木です。中岳から北岳一帯に広がるブナ林は、西日本有数の美林で、その林床をクマイザサが埋めているのが特徴です。1991年(平成3年)の大型台風により大きな被害を受け、その存続が危ぶまれています。現在、ブナ林再生のための活動が行われています。(説明看板より)





北岳山頂付近で振り向くと・・・






英彦山 南岳(左)と 中岳(右) 12時24分  中岳の山頂に上宮が見える

この南岳と中岳の中間地点の鞍部が、今日、ケルンの谷から急登を上り詰めた場所になる。目を凝らして見ると小さな人影を確認することが出来た。あの崖みたいな急登をよく登ったものだ!と今更ながら驚いた。 



 

8、北岳山頂 12時25分 1192m
これで英彦山の三座を踏んだ!ここは足を踏み入れてはいけない、「磐境」と呼ばれる禁足地で、神仏習合時代からの聖地がある。

   立ち入り禁止です

 

祠が祀られている  12時28分
祠の中を覗いて見ると、剣を持った立像が見える。いったい誰が祀られているのだろう?

    威厳がある





北岳から高住神社へ下山  12時30分 




 

英彦山青年の家を望む  12時35分
まだ蕾の多いミツバツツジ越しに「英彦山青年の家」が見えた。オオカメノキの花もあちこちに点在している。

   大亀の木

 

ロープ場&鎖場  12時39分
小さな崖を何度か下りることになる。ロープや鎖を手に慎重に一人ずつトライ。

    12時44分

 

高住神社への分岐 12時47分
「直進行き止まり」の表示があった。勿論、ここから左に下るのだが、またまた長い鎖が伸びている。英彦山は鎖場が多い。

    あと600m

 

長い鎖場&長い階段  12時48分
長い鎖場は鎖を持たずに歩くことが出来た。そのすぐ後に今度は長い階段が現れる。

   12時49分

  溶岩の壁  12時54分
ロープが張られた、歩き難い岩ゴロゴロの道を下って行くと、左手に大きな溶岩の壁が現れた。今にも崩れそうなのだが・・・。

   福岡県立田川高校
 

救世安民の碑  12時57分
碑の横に安政2年に建立されたと記されている。安政2年は1855年で江戸時代。

    古人の祈り

 

シオジ林を通過  13時09分
シオジ林の新緑に身を置きながらゆっくりと下山していると、10mも伸縮する昆虫採集の網を持った子連れのご夫婦が空を見上げながら何やら探している。何を採取しようとしているのか聞いてみると、「ニセコルリクワガタ」と返事が返ってきた。この季節、シオジの新芽に飛んでくると言うことだった。昆虫採集も一苦労だ。

  北岳のシオジ林
H師匠から、この辺りのシオジ林のレクチャーを受けながら歩いていると看板が現れた。
県内でもっともすぐれたシオジ林です。シオジは岩の累積した湿気の多い谷間を好みます。樹高25メートル、直径1メートルにも達する木があります。林床に円形に葉を広げたミヤマクマワラビを伴っているのが特徴です。(説明看板より抜粋)
 

奇岩の横を通過  13時19分
望雲台の分岐を通過して快調に下山していくと、三脚を立てバードウォッチングをしている人がいる。先程の昆虫採集や我々の様な登山など、皆さんこの英彦山でいろんな趣味を満喫しているようだ。そして目の前に大きな奇岩が現れた。その少し暗くなった奇岩の横を通過する途中に説明看板があり、目を通すと・・・「へぇ〜、火砕流の跡なんだ。」

 

逆鉾岩・屏風岩・筆立岩 
英彦山は400万年前の火山活動によってできました。この一帯に見られる岩は凝灰角礫岩で、かつての火砕流がかたまってできたものです。これが長い年月の侵蝕によってこのような面白い形を残しています。
岩上にはヒノキ、ツクシシャクナゲ、ゲンカイツツジ、イワタバコ、イワギボウシが生育しています。
                (説明看板より抜粋)

  9、高住神社境内奥の登山口  13時32分
事故なく無事に下山し安堵する。中岳山頂から要した時間は1時間34分だった。

    中岳迄2.1q
 

豊前坊龍神  13時33分
小さな鳥居を潜って「大天狗の霊水」で喉を潤した。「英彦山の霊気を体に・・・」「一日の健康は一杯の水から」と書いてある。

    元気の源

  10、英彦山豊前坊 高住神社  13時38分
社務所に立ち寄り、英彦山名物「英彦山がらがら」を購入。気さくな社務所の方と英彦山の情報交換。ありがとうございました。

    英彦山がらがら
  高住神社御神木「天狗杉」  13時39分
不覚にも社務所で少し話し込んでしまった。H師匠とヤジさんはもう駐車場へと向かっていたので慌てて後を追った。

   石段途中から右へ
 

豊前坊駐車場トイレ  13時40分
今朝出発した豊前坊駐車場のトイレが見えてきた。所要時間は約6時間程度だったが、もっと長く歩いていたような気がした。6時間にしては疲労感がいつもより大きい。それだけに英彦山は厳しい山だと言うことだろう。これからの季節は気温がもっともっと上がることになる。体調や水分補給などに十分気を配って歩きたいと思う。






11、豊前坊駐車場へ戻ってきた  13時41分


今回の山行きは「裏英彦山道」がメインだった。この道は自分一人ではなかなか歩く自信がない。H師匠の同行があってこそ裏英彦山道を歩くことが出来た。初心者の方は安易に単独で入り込まない方がいいだろう。今日はヤマシャクヤクやシャクナゲにも会うことが出来て本当に感謝である。また来年この季節に歩いてみたい。お疲れ様でした!


訪問ありがとうございました。
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背後のカラー