ご訪問ありがとうございます。
よろしければ他のページもどうぞ
 
  HOME へ



竜王峡〜山瀬越〜からす落〜八丁ケルン〜福智山山頂〜
からす落〜尺岳〜四方越〜竜王峡

 

竜王峡からの八丁・福智山・尺岳

 

2014年2月16日

 

三日前からの寒波で山にはまた雪が降った。雪山を歩きたい!とウズウズしていたが、日曜日は
ラッキーなことに天気予報は晴れマーク。いろいろ考えたあげく、竜王峡からの入山に決めた。

しかし、竜王峡から山瀬越までのルートは雪が積もり、先行者は無く、当然トレースも無い。
新雪に足が埋まり、プチラッセル! 体力もかなり消耗した。 しかも積雪のおかげで登山道が隠れていて、ルートを確認するのに右往左往。雪と格闘しながら山瀬越(九州自然歩道の尾根)に出た。





福智山山頂  凍りつく鳥野神社の上宮から八丁と鷹取山の山頂を望む

<コース概要>

1、竜王峡駐車場  8時10分 〜 2、竜王峡 〜 3、山瀬越 〜 4、からす落 〜 
5、八丁ケルン 〜 6、福智山山頂 〜 7、からす落 〜 8、山瀬越 〜 9、尺岳山頂 〜
10、尺岳の肩 〜 11、四方越 〜 12、竜王峡駐車場  16時23分



               
 

竜王峡駐車場  7時55分
広い駐車場に到着したが、私の車が1台のみ。
今日はここからの登山者は他にいないのか?
車から外に出ると、ひんやりする空気がとても気持ちいい。駐車場には雪など全くないが、山頂にはたくさん積っているらしい。アイゼンなど雪山装備を確認しながら準備を整える。今日はどんな登山になるのだろう?

期待を込めてザックを背負った!

 

1、竜王峡駐車場を出発  8時10分
まずは駐車場から舗装道路を歩いて竜王峡へ向かう。竜王峡までは「歩いて2分くらい」と、駐車場入り口の看板に書いてある。

   夏場は有料になる

 

竜王峡入口  8時12分
この時季は閉鎖されている管理事務所を通過して竜王峡へと入って行く。事務所の手前でH師匠のデザインしたマークが目に付いた。

   福岡県森林100選

 

2、竜王峡  8時13分
竜王峡には竜王神社が祀られている。
水の神として筑豊地方の住民に知られている当社の建立は不詳であるが、仁安元年、今から800年前再建されたことが、続風土記に記録されているが、付近一帯は尺岳神社として女人禁制の霊場と共に筑豊四郡(遠賀、鞍手、嘉穂、穂波)住民の雨乞い所として崇敬を集めていた。(説明看板より抜粋)

 

竜王神社の鳥居を潜る  8時14分
橋の途中に「登山道入り口」の標識が立てられている。いよいよスタートとなる。

   山瀬越コースへ

  竜王峡<一の滝>  8時15分

   

鳥居を潜り、右のバンガローから川に下りると落差
10メートル程の滝が現れる。辺りは滝の流れ落ちる音が響きわたる。これが竜王峡<一の滝>である。上流には二の滝、三の滝とあるが、私の歩く登山道から離れるのでパスした。ここは杉木立に囲まれた避暑地でバンガローが点在する。「竜王峡キャンプ村」として夏場は家族連れなどで賑わいをみせる。
 

バンガローの間を通り抜けて上へ  8時19分
滝見物も終え先へと進む。上を見上げればバンガロー。階段の取り付きには「福智山」への道標があるが、どうもわかり難い。

   さあ行こう!

 

T字路を右→に進む  8時22分
竹林を抜け長い階段を上り詰めると林道に出会う。そこはコンクリーの壁があり、T字路になっている。壁の下には小さな標識がある。

    右の山瀬越コースへ

 

暫くは楽な林道歩き  8時23分
情けないことに、ここまでの長い階段を上るだけで息が切れた。日頃は全く運動をせず、いつもぶっつけ本番の山行なので・・・反省。

   息を整えながら歩く

  小さな沢を渡って進む  8時29分
のんびり歩いていた林道歩きもこの辺りで終了!ここからは本格的な登山道に入る。標識があるので安心して進むことが出来る。

   真っ赤なアオキの実
 

渓流に沿って登山道は続く  8時36分
赤いペンキが登山道を示している。岩は濡れて滑り易くなっている。不規則な岩を無理せず小股で一歩一歩クリアしながら上って行くと、細くて流れの早い渓流が現れた。
ここは雰囲気がとても良く、森の素晴らしさを体感できる空間だ。渓流に沿った登山道は、積もる濡れ落ち葉や苔むす岩が滑り易く、注意を怠ることは出来ない。





濡れ落葉の積もる渓流沿いの登山道を歩く  8時38分



 

コース看板のある分岐に出会う  8時53分
渓流に魅せられながら上って行く途中、小さな滝がいくつも現れる。何度か河原に下りて撮影などしていると、時間がどんどん過ぎていく。

   滝の音が響く

 

コース看板から右へ進む  8時53分
尺岳から福智山周辺のコースが描かれている。現在地を確認して山瀬越を目指す。足下を見ると、分岐を表す「Y」のマークがある。

   山瀬越は右へ 

 

登山道に雪がチラホラと  9時00分
先程の分岐から登山道の斜度が増してきた。
「あっ」・・・気が付くと辺りが雪で白くなってきた。
雪を踏み締めて上って行く。


   赤いペンキを頼りに






高度を上げるに連れて雪が深くなってきた  9時09分  登山靴を雪面に蹴りこみながら進む



 

登山道を外れないように注意!  9時24分
足首まで雪に埋まる。先行者は無く、トレースも無い。木や岩などの赤いペンキやテープを確認しながら一歩、一歩と歩を進める。

    ペースダウン




このような雪の中、アイゼンを装着するタイミングを考えながら歩いていたのだが、実は意外と歩き易かった。結局この時点ではまだアイゼンを付けていない。





暗い森の中に光が射した  9時39分  雪は一層深くなり、積雪は30p 
「しーん」と静まり返った森の中で、雪を踏み締める「ググッ、キュッ、ググッ」という音だけが響く





 

コースを探していると・・・   9時42分
「アレッ」先行者がいないはずなのに、足跡がある。トレースのない状況でずっと歩いていると、足跡を見るだけで嬉しくなって・・・つい、その足跡を辿って歩きたくなる。しかし、よく見てみるとその足跡は人間ではなかった。
この足跡はいったい何だろう。ウサギ? 
山中の動物たちはアイゼンもなく元気に走り回っているようだ。

 

頓野林道に出会う  9時50分
林道に飛び出したと思ったら、真正面の小さな標識が目に付いた。標識通りに頓野林道をそのまま横切り、真っ直ぐ林の中に入って行く。

   林に突入!

  3、山瀬越  9時54分
頓野林道から3分位林の中を歩くと九州自然歩道の尾根道に出た。雪の影響か、無雪期に歩いた時と比べて30分程度遅れていた。

    福智山は右へ
 

山瀬越から福智山へ向かう  9時56分
水分補給をしてすぐに出発。
この四差路分岐を左に行けば尺岳、真っ直ぐ進めば七重の滝へ続く。
本日の目標は福智山なので、進路は右。
でもここからまだ3.5キロ。足元に積もった雪を見て気合を入れ直す。ここまでは先行者のトレースもなく歩いてきたが、尾根道は既に数人歩いている様子で、新しい足跡が付いていた。足跡に温もりを感じ、少し心が和む。

 

尾根道を進む  10時09分
積雪は20〜30p。よく考えてみるとこんなに積もった雪道を歩くのは久しぶりである。通常ならこの尾根道は平坦でとても快適に歩くことが出来る。でも、今日はこの雪で思うように歩くことが出来ない。
トレース上にある先行者の足跡に自分の足を置きながら歩くと、足運びがスムーズだ。ふと思いついて尾根歩きの状況をセルフタイマーセットで、自分の後姿を撮ってみた。

 

豊前越  10時27分
この分岐も四差路になっている。右は内ヶ磯、左は七重の滝へと続く。私が豊前越に到着するのと、ほぼ同時に七重の滝方面から単独でベテラン風の女性が上ってきた。ここで今日初めて登山者に出会った。「こんにちは」と声をかけ合うと、その女性は休憩もせずに福智山方面へ進んで行った。私も後を追ったが、追いつくことは出来ない程の健脚だった(敗北感)

 

マメ蔦のグリーンが美しい  10時52分
モノトーンの世界をずっと歩いていると、このマメ蔦のグリーンがとても輝いて見える。
標識を見ると あと 1、3kmで福智山だ!


    あと少し!





4、からす落 11時05分  明るい場所に出てホッとするが、想像したより雪が深い


 


 

からす落で休憩  
敬愛する亀永先輩から「とらやの羊羹」の差し入れを頂いたので、ここでおやつタイム!

     甘くて美味しい

 

からす落を出発  11時22分
今までは尾根道だったが、からす落からは急登になるので、アイゼンを装着することにした。

    簡易6本爪

  たぬき水に寄り道  11時28分
水量は少ない。取りあえず飲んでみたが、あまり冷たく感じなかった。
コップは雪で埋まっていた。

   チョロチョロ






荒宿荘  11時30分  皆さん元気に雪山登山を楽しんでいるようだ!



 

荒宿荘の中を覗いてみた  11時31分
小屋内は綺麗に掃除されている。誰も休憩していない小屋では神棚が目に付いた。小屋の裏手にはバイオトイレが設置されている。

   バイオトイレ

 

荒宿荘を出発  11時32分
小屋の見学を終え福智山山頂へと向かう。
荒宿荘から3分も登ると「九州自然歩道」の標識のあるT字路に出会う。

   T字路を右へ進む

 

「九州自然歩道」の標識のあるT字路
ここから左右どちらに進んでも福智山の山頂に通じる。この分岐を右に進みながら、何を思ったのか、ふと八丁の山頂から鷹取山を見たくなった。気まぐれだが、福智山の山頂に行く前に八丁のケルンを目指すことにした。
かなり遠回りになるが、今日の様な雪景色の中を歩くことは、そう滅多にないと思って、思い切って行ってみることにした。

 

コース看板の前を直進  11時40分
先程のT字路分岐から細い道を進んで行く途中、左に福智山山頂に通じる道が2本出てくる。その道をパスして進んで行くと上野越コースの説明看板に到達する。ここを右に下れば上野越、真っ直ぐ進めば、福智山山頂と八丁との分岐にあたる、「八丁の辻」に出る。
目指す八丁ケルンは八丁の辻から右に進むことになる。

  八丁の辻から八丁を目指す  11時44分
白くなった登山道が続いている。ここから見えるピークは八丁ではない。もう一つ向こうに八丁ピークがある。振り返ると福智山!

    雪化粧の福智山






5、八丁のケルン  11時50分  八丁のピークから福智山を望む


八丁のケルンから上野峡方面(福智山と反対方向)に少し歩くと鷹取山のビューポイントだ!


   
平になった山頂には雪が積もっている。
春には水仙が咲いて、ハイキングをする人で賑わう。


鷹取山山頂(633m)を見下ろす
  11時52分
この鷹取山は、現在NHKで放送されている「黒田官兵衛」の家臣として名高い「母里太兵衛」の居城があった場所である。酒は飲め飲め、飲むならば、日の本一のこの槍を、飲み取るほどに飲むならば、これぞまことの黒田節(武士)」。この歌詞は、母里太兵衛(もりたへえ)が、戦国大名である福島正則のもとへ使者として訪れ、大盃の酒を飲み干して名槍「日本号」をせしめたときのエピソードがもとになっている。






鷹取山と続く尾根  11時54分  鷹取山山頂から内ヶ磯に下ると鳥野神社に通じる






八丁から福智山を望む  11時55分   山頂には人影が見える




八丁の山頂を踏み、鷹取山も眺めることが出来て大満足! あとは本日の目標の福智山に向かうだけ。上空の雲はどんより。お天気大丈夫? 白い福智山の背景には青空が似合うのだが・・・。


 

福智山山頂が近づく  12時01分
雪で白くなった登山道を歩いて山頂へ!上り詰めると福智神社の上宮に辿りついた。

   二礼二拍手一礼

 

6、福智山山頂  12時10分  901m
風は微風。思ったより寒さを感じなかった。
山頂標識の横に設置されている温度計を見ると1℃だった。

    曇天 1℃

 

鳥野神社上宮  12時11分
祠の中は雪だらけ。それでも雪を払ってお賽銭を入れて、ここでも二礼二拍手一礼。
無事登頂のお礼をする。
この祠の裏側を見てみると・・・なんと真っ白!祠がガチガチに凍っていた。この祠は厳しい風雪に耐えこれまでその存在を続けている。
下を見ると先程歩いた八丁のケルンが小さく見えた。鷹取山の山頂も少し顔を出している。



 




お腹がペコペコで、さっそく四畳半岩に移動して昼食の準備。常連さんが10人程集まっていた。

H師匠を探したが見当たらない。メールをしたら既に福智山を下山途中。さすが師匠、行動が速い! 



 

凍った四畳半岩の横で昼食  12時25分
岩に張り付いた雪が凍って面白い形状になっている!岩氷とはこの事か?

   チャンポンおでん

 

鳥野神社上宮から下山  13時00分
昼食を済ませ、体が温まった!これから下山開始である。まずは荒宿荘まで真っ直ぐ下る。

   クマザサも雪の中

 

荒宿荘とたぬき水を通過  13時07分
荒宿荘はグループの休憩ポイントとなっているようだ。楽しそうな会話が聞こえてくる。

    チョロチョロ

 

7、からす落  13時12分
からす落まであっという間に到着。暑くなってアウターを脱いでザックに詰めた!
さあここから尾根を歩いて竜王峡に戻ろう!

    尺岳まで4.6km

 

豊前越  13時40分
先行のグループが休憩していた。私は休憩することなくグループの横をすり抜けて真っ直ぐ山瀬越方面に進んだ。

    尺岳まで3km

 

8、山瀬越  14時07分
今朝の往路は竜王峡から山瀬越コースでこの分岐に上ってきた。ここから下りて行くと最短で竜王峡に通じる。しかし、標識を見るとあと1.8kmで尺岳と書いてある。せっかくなので、尺岳の雪景色も見てみたい。
ちょっと迷ったが、先に進んで尺岳の山頂を踏むことにした。

尺岳からは四方越(よもごし)を経て竜王峡に下るルートを辿ることにした。

 

頓野林道  14時20分
どうやら太陽が顔を出したようだ。光が雪に反射して眩しくなってきた。登山者は私一人、すれ違う人もいない。先を急いだ。

    尺岳まで1.2km







 竜王峡への分岐@14時25分

 

竜王峡への分岐A14時33分

頓野林道から尺岳へ向かう途中に竜王峡への分岐が@Aと二つある。今まで何度もこの前を通過するが、気になりつつもこの分岐からは竜王峡へは下りたことがない。
一度挑戦してみないと・・・。
 






尺岳平に到着  14時40分  思いっきり晴れていた!




 

雪一面の尺岳平を通過  14時41分
高校生が二人、雪で遊んでいた。
休憩せずに真っ直ぐ山頂へ向かうことにした。


   山頂はすぐそこ


 

9、尺岳山頂で休憩  608m  14時45分
ポカポカ陽気でなんと気持ちのいいことだろう。
写真撮影やメールをしていたら、あっという間に
20分
経ってしまった。


   二礼二拍手一礼






尺岳山頂    尺岳権現も雪に埋もれている

 



 

雪だるま  背景は金剛山の稜線




遠くに権現山と皿倉山を確認出来た


 
尺岳平で遊ぶ高校生二人

尺岳平に戻ってきた  15時07分
高校生がまだ遊んでいた。自分たちの自信作だと言って、雪で作った作品を見せてくれた。

    
      鎌倉の中に雪ウサギ



高校生に別れを告げ、尺岳平から皿倉方面へ。
5分も歩くと 尺岳の肩 に辿りつく。


 

10、尺岳の肩  15時23分
竜王峡へはここから左へ下っていく。
小さな青い標識によると、あと2.3km程度だ。


    あとは下るだけ

 

11、四方越(よもごし)  15時42分
尺岳の肩の分岐から少し下った所でアイゼンを外した。山を下るに連れて雪は消えていった。

   竜王峡方面へ







休憩  15時57分  小さな沢を何度か渡渉して下って行く



 

川の護岸工事は自然石?  16時12分
いつの間にやら林道に出て、民家の横を通過し川に沿って下って行く。整然と並べられた護岸の石が美しい。

   よく積み上げたものだ

 

林道終点  16時13分
橋を渡ると舗装道路になる。トボトボと歩いて竜王峡駐車場へと向かう。

   緩やかな上り

 

左にUターンするように上る  16時18分
ここまでくればもうあと少し。「よく歩いたな〜」と今日の山歩きを思い出す。Uターンして1分も歩けば竜王峡の石碑がある。ここを右へ。

   駐車場の裏手へ

 

12、竜王峡駐車場  16時23分
林を抜けるとそこは駐車場。自分の車がポツンと1台あるだけだった。
今朝出発して8時間13分が経過していた。
スマートホンの歩数計を見ると28700歩余。
単独での雪山縦走、私にとってはちょっとした冒険だったが、お天気に恵まれて良い山行となった。
お疲れ様でした!



訪問ありがとうございました。
HOMEへ 


背後のカラー