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頂吉(かぐめよし)少年自然の家〜満干越〜新城〜茶臼山〜満干越〜
            満干谷(みちひだに)間歇(かんけつ)冷泉〜頂吉少年自然の家
 
 

福智山系 満干谷 間歇冷泉

2017年4月22日

今日はなんと7ヶ月振りにH師匠との山行である!とても楽しみにして朝を迎えた。目指すは、H師匠も8年ぶりとなる福智山系の「間歇冷泉」だ。おそらく一般登山者でここを目指す人は皆無と言っていいだろう。福智山系を知り尽くしたH師匠ならではのコースである。この「間歇冷泉」は、不思議な現象が起こる場所。さて今回、その不思議な現象に出会うことは出来たのか?



   

福智山系「満干谷間歇冷泉」にて  左からK高さん、Y本さん、H師匠、そしてF井先生

 

<コース概要>

1、頂吉(かぐめよし)少年自然の家 7時40分 〜 2、紫川起点 〜 3、満干越 〜
4、新城  5、茶臼山 〜 6、満干越 〜 7、満干谷集落跡(作業小屋) 〜 
8、満干谷間歇冷泉(昼食) 〜 9、満干谷集落跡(作業小屋) 〜 10、紫川起点
11、頂吉(かぐめよし)少年自然の家  13時55分
  

  1、頂吉(かぐめよし)少年自然の家 7時40分
今朝は8時集合のはずだったが、皆さん待ちきれないのか、7時30分には全員集合。
車は頂吉(かぐめよし)少年自然の家の斜め前にある、公衆トイレ横のスペースに停めさせてもらった。駐車スペースの草むらを見ると花がたくさん咲いている。
準備は10分で済ませて即スタート!

 
オドリコソウ

 
白いオドリコソウ

 
朝露に濡れたカキドオシ

 
シャガ
 

頂吉少年自然の家の前を通過 7時41分
今日の主目的は福智山系満干谷の「間歇冷泉」だが、その前に新城と茶臼山を巡ってから満干谷へと向かうことにした。メンバーは、H師匠、Y本さん、K高さんのベテラン3人と、私を含めて計4人。H師匠とは7ヶ月振りになるので、今日はとても楽しみにしていた。
柔らかい朝日と気持ちの良い風の中を歩く。



駐車場所から田川方面に3分程歩くと、青い道路標識が見えてくる。


 

2、紫川起点  7時44分
この十字路を右に進むと頂吉林道になる。そしてここが紫川の起点となっている。

   紫川起点の碑 


我々は頂吉林道には入らず、真っ直ぐ進んで民家の間を進むことになる。



 

民家の間を進む  7時44分
頂吉(かぐめよし)は紫川の起点とされている。ここから上流に伸びる川が2本ある。一つは満干谷に通じる「吉原川」もう一つは上頂吉林道と並行して流れる「山の神川」である。この2本の川が、ここ頂吉で合流して一本の川となっている。
民家の間を道なりに真っ直ぐ進んで行く。

 

民家を抜けると・・・  7時51分
小さな川沿いを進むと、徐々に森が近付いてきた。いよいよこれからが本番!

    ウマノアシガタ

 

杉の植林帯を進む  7時53分
川の流れに沿った林道歩きはとても気持ちのいいものだ。新芽もあちこちに芽吹いている。

    若葉が綺麗

 

一般車両進入禁止のロープ  8時08分
足下の車両進入禁止のマークが目立っている。
ロープを潜り抜けて先へと進む。


    オニシダ



川を慎重に渡渉  8時13分  水深は浅いが、滑らないように注意

吉原川の水量は場所によって変化する。この場所は少なくて穏やかである。石灰岩質の地層で、場所によっては地下を流れる水もあるらしい。しかし、目で確認することは出来ないので、何とも言い難い。 



 
フタリシズカ



ネコノメソウ





何度か渡渉を繰り返して林道を進んで行く  8時15分  倒木などで荒れている


 

サツマイナモリ



キケマン

 

満干越への分岐  8時30分
次第に川から離れて林道は山中へと入って行く。その林道の途中に満干越への分岐がある。
見過ごさないように注意!

     目印は白いビニール袋


この林道を真っ直ぐ進むと満干谷集落跡〜満干谷間歇冷泉へと続く。
しかし、我々はまず新城と茶臼山を踏んで、またここまで戻ってくる予定だ。



 

3、満干越  8時34分 左へ
先程の分岐から3分程で満干越へ到着。ここで小休止。流れる汗を拭って水分補給。

    みちひごし

 

満干越で小休止
登り着いたらここで道は左右に分かれる。
右に進めば金満尾根を辿って金満山〜赤牟田の辻(旧焼立山)へ。
左へ進めば、こもれび別れ(新城・茶臼山方面)となる。黄色い道標があるので心強い。
小休止を終えて左へと進む。 8時38分

 

こもれび別れ  8時43分 
5分も歩くと「こもれび別れ」に到着した。この間には松ぼっくりがたくさん落ちていた。

    ゴロゴロと

この分岐から右に下ると「こもれび渓谷」を経て採銅所(後入道)へと続く。
我々は直進して新城・茶臼山方面へ。

    直進

 

分岐  9時01分  右へ
こもれび別れからアップダウンを数度繰り返すと、この分岐に辿り着く。この分岐を右に進むと新城。左は茶臼山。我々はまず新城へ。

    新城はすぐそこだ! 

 
ここから後入道に下る道(急坂)もある

4、新城  9時06分  403m
山頂は樹木に囲まれて展望はない。周囲には山城の特徴である堀切の跡がある。

   新城登頂 

 

分岐  9時20分
新城から往路を下り、分岐に戻って来た。今度は標識に従い茶臼山を目指す!

    足下に

 

気持ちの良い尾根歩き  9時22分
登山道に青い花がポツポツと・・・それは
鮮やかなフデリンドウだった。

     青く輝いている


可愛いリンドウに魅せられて何度もシャッターを切った!



 



  竜ケ鼻が正面に  9時28分
樹間から竜ヶ鼻が見える。一度あの急斜面に挑戦してみたい!でも怖そう〜。

    ちょっと休憩


リンドウを見ながら、ルンルン気分で歩いていたが・・・




ギョッ! シマヘビさんが現れた!  9時44分

先頭を歩いていたK高さんが、知らずにまたいだのはシマヘビだった。どうやら登山道の日当たりのいい場所を見つけてお昼寝をしていたのだろう。シマヘビもビックリして林の中へスルスルと逃げ込み木登りを始めた。ペロペロと出す舌はなんと気味が悪いことか・・・。



 

紅白の鉄塔  9時46分
この鉄塔を通り抜けてまた森の中へ入る。
「九電・豊前北幹線六一/1977.6」の表示。

   高圧線鉄塔 

 

鉄塔の横から登山道へ  9時49分
鉄塔の間から山並みを眺める。あれは焼立山なのか?見る位置が変わると自信がない。

     鉄塔の下から

 


三角点

5、茶臼山  9時53分  408m
鉄塔から4分で茶臼山山頂に辿り着いた。山頂からの展望は北九州市方面の一部のみ。

    海老野城跡

   
       山頂を下山  10時04分


 
鉄塔を潜り抜け、来た道を戻る  10時07分
この後の長い上り返しは大変だが、鮮やかなリンドウの花に癒され疲れも吹っ飛ぶ。

    点在していた
 

こもれび別れ  10時46分
ここは修験者の通る道。「英彦山秋の峰入道」でもある。アップダウンが堪える。

    修行だ!

 


満干超からかぐめよし方面に下って林道へ
6、満干越  10時52分
新城と茶臼山の山頂を踏んで満干越まで戻って来た。これから本日の主目的である「満干谷間歇冷泉」に向かうことにした。
「かぐめよし」の黄色の標識に従い、歩いてきた道を戻り、すぐ下の林道分岐まで下って行く。林道(白いビニール袋がぶら下がった分岐)に出ると左に進む。

   
     白いビニール袋のぶら下がった分岐
 

林道は倒木で荒れている  10時59分
倒木をまたいだり、潜ったりで忙しい。

   邪魔だー 




7、満干谷集落跡(作業小屋) 11時00分  この一帯が満干谷集落跡になる

林道を進んでいくと広場に出た。広場には古びた作業小屋があった。H師匠によると、この小屋は26年程前に建てられたと言う。現在はもう使われていないようだが、当時は林業従事者の方々が作業や休憩に利用していたらしい。


 

作業小屋の右横を進むと  11時01分
作業小屋の裏手に沢がある。約30年前、H師匠が沢登りを楽しんでいた沢である。

    倒木だらけ


本日の目標である「満干谷間歇冷泉」はこの川を渡渉し進むことになる。



 

杉林を抜けるとまた沢を渡渉  11時03分
これで二つ目の沢を越えることになる。この沢の上流が「満干谷間歇冷泉」になる。

   苔が滑る 




斜面をトラバース  11時07分  踏み跡は薄い

二つ目の沢を渡渉した後は、急斜面をトラバースすることになる。徐々に高度を上げ、左を見下ろすとちょっと怖い。ズルズルと滑って歩き難い場所もあり、慎重に歩を進め上って行く。 


 

斜面途中で滝を見下ろす  11時09分
途中、H師匠とK高さんが立ち止まって下を覗いている。大きな滝が流れていた。

    下を覗く二人


滑って転ぶと左の谷へ滑落! このルートは緊張感を持って歩こう!





8、満干谷間歇冷泉  11時20分  あれっ? H師匠がヘルメットを被った人と話している


満干谷間歇冷泉に先着の人がいた。しかも工事用のヘルメットを被っている。普通の登山者ではないことはすぐにわかったが、この観測設備を管理している業者が点検整備に来ているのかと思い込んでいた。この時、そのヘルメットの人が、この「間歇冷泉」を30年も研究されているF先生とは、我々4人誰もが気付かなかった。大変失礼いたしました。

F先生とは知らずに、我々はそのまま挨拶を交わした後、間歇冷泉の上流で昼食タイムにすることにした。腰を下ろして食事の用意をしているところに、F先生がパソコンを持ってやってきた。「せっかくだからご説明しましょう!私の撮った湧水時のビデオがあるので見て下さい。」と言ってパソコンを起動させると・・・ビデオタイトルにF先生のお名前が載っていた。
そこで一同 ビックリ!
「F先生ご本人ですか?」と尋ねると、
「ハイ、そうです。」との返事が返ってきて、
我々4人はお驚きと共に、嬉しさでテンションが上がってしまった。
K高さんも事前にF先生の論文(いのちのたび博物館のホームページに掲載されている)を読み、間歇冷泉を調べてきていたので、驚きを隠せなかった。
その後、湧水時の貴重なビデオも見ることが出来て感動!
まさか、この間歇冷泉を30年前から研究されているF先生ご本人と、この場所でお会いできるとは思ってもみなかった。
H師匠も何度もここを訪れているのに初めてのご対面で、とても喜んでいた。


     
   岩の下の穴から少量の水が湧き出ている。
湧き出る光景はなかなか見ることは出来ないそうだが、我々は本当にラッキーだった。
このような湧き出し口が数ケ所あり、その水をパイプに集めて湧水量を調べている。

    

右の流れは吉原川の支流なので、間歇冷泉とは別物で関係がない。湧水はヨコになった太いパイプの上方の数ケ所の穴から出ている。

    
     集水観測箱の下部から流れ出る湧水
水量は、メモリのようになっている赤いテープが目安となっている。多い時は下から三番目のテープまで増えるとのことだった。

間歇冷泉とはどんな仕組み?
頂吉(かぐめよし)にある、紫川の起点から吉原川を遡る。更に満干谷を奥へ奥へと進んで行く。そうすると、この間歇冷泉に辿り着く。
石灰岩地層だと思われる地下の空洞に溜まった地下水が、サイフォンの作用で間歇的に湧き出している。
日本全国5ヶ所にこのような間歇冷泉が確認されているということで、その内、この満干谷の間歇冷泉は最大規模と言われている。

詳しくはF先生の論文をお読み下さい!
いのちのたび博物館のホームページ
研究報告 NO.8 1988の中にあります。

   
    流れ出る湧水を見るH師匠とY本さん
      水温は年中12℃でほぼ一定

    
            H師匠とF先生
  詳しく教えて頂き、ありがとうございました。

  間歇冷泉を下る  12時33分
「熊本地震の直後はこの湧水が1週間ほど濁っていた。」「湧水の記録は1000回以上のデータを集めている。」「そのデータを元に分析すると色々と解ってくる。」等、さすが研究者、その地道な努力に敬服・脱帽である。
F先生とのお話もなかなか尽きないが、記念撮影をして下山することにした。 




満干谷へ下る  12時41分  滑り易い急斜面を慎重に下る 


 

9、満干谷集落跡(作業小屋)  12時48分
往路を下る。ここまで来れば一安心。これからまた荒れた林道歩きとなる。

    カンアオイ


 
ナツトウダイ

 
キクラゲ(木耳)

 
 

ムラサキケマン
 

ヤブツバキの落花

 
シャガ

 
セイヨウタンポポ

 


林道の花々を眺めながらゆっくり往路を下山した。




右を見上げると今朝歩いた紅白の鉄塔が見える。13時31分 鉄塔の左の山は茶臼山だろう。 


 

10、紫川起点  13時50分
温かい日差しの中、のんびり下山。紫川起点まで戻って来た。

    あと少し

 

11、頂吉少年自然の家  13時55分
公衆トイレ横の駐車場所に到着。間歇冷泉の湧水も見ることができて楽しい一日でした。

    お疲れ様でした。


6時間15分の山歩き。 スマホの歩数計は18568歩だった!今日は、運の良いことに間歇冷泉の湧水を見ることができ、しかも、F先生にも思わず出会えて本当に良い一日だった。感謝!


訪問ありがとうございました。
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